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社内に保育施設を開設できますか?

2024.06.20

社内に保育施設を開設できますか?

 

こんにちは一時預かり・託児所開業サポートの油谷です。

今回は『社内に保育施設を開設できますか?』についてお答えしていきます。

6ヶ月ほど前から特にこちらの質問が増えています。状況を伺ってみると「産後離職される方が増えている」「せっかく気づいたキャリアや経験も子どもがいると働けない人が多い」「残業が増える時期があり、保育園の預かり時間の関係で残業ができない人が多い」など特に関東圏ではなく、地方でこういった状況が増えているようです。

「会社の会議室で預かれないか?」「新設して保育園を作りたい」「2階に空きスペースがあるのでリフォームするにはどんな間取りがいいか?」など社内に保育施設を開設したいというお話も多く伺います。

本日は開設可能か、どのような基準があるのかお話しいたします。

 

開業に資格や経験の有無は問われません

 

どの種類の保育園も、開業するにあたって資格や経験が問われることはありません。

保育士の資格を持っていなくても、保育に関する経験が一切なくても、開業すること自体は可能です。

私も保育士資格を持たず、開園し、継続しています。

ただ、保育施設には種類ごとに設置・運営の基準が定められているため、無条件に開業できるというわけではありません。

6人以下の場合スタッフが資格者かどうかは気にしなくても良いというエリアもあり、国が定めた基準に加え、自治体が独自の基準を導入していることも多いため、あらかじめ市区町村のホームページなどを活用して十分に調べておきましょう。

 

 

基準に基づく運営が必要

保育施設には種類ごとに詳細な運営基準が定められています。

ここではその一例として、認可外保育所の基準の一部を見てみましょう。

※すべての要件を網羅したものではありません。

 

施設・設備について

保育室はもちろん、調理室や十分な数の子ども用トイレといった設備も設けなければなりません。必要となる設備の種類や広さは、入所させる子どもの年齢や人数によって変わります。将来的に人数を増やす計画があるなら、初期段階で考えておきましょう。

また、保育室は原則として1階に設けることが求められます。もし2階以上のフロアに保育室を作る場合は、転落事故の防止や災害時のスムーズな避難などを目的とした、さまざまな条件を満たす必要があります。

 

職員について

配置する保育従事者(保育士、または研修を終えた子育て支援員)の人数は、下記のような基準に沿うことが求められます。

  • 0歳……おおむね3人につき保育者1人
  • 満1歳以上満3歳に満たない幼児……おおむね6人につき保育者1人
  • 満3歳以上満4歳に満たない児童……おおむね20人につき保育者1人
  • 満4歳以上の児童……おおむね30人につき保育者1人

開設にあたっては、上記の基準より1人以上多くの人材を確保しなければなりません。また、すべての保育者のうち、1/3以上は保育士資格を保有する必要があります。そして当然ながら、「虐待を行わない」「子どもの人格を貶めない」など、保育者としての質もしっかりと考慮することが求められます。

保育内容について

園では、子どもたち一人ひとりの年齢(月齢)や心身の発育の状況を把握し、保育の内容を工夫しなければなりません。テレビを漫然と見せ続けるような放任的な保育は避け、子どもの生活リズムに配慮した安全かつ健康的な保育カリキュラムを設定・実行する必要があります。また、入所している子どもたちの保護者とも信頼関係を築き、その意向を考慮した保育を行うことが求められます。

このほかにも、食事の内容や衛生管理、防災設備などに関しても、厚生労働省や自治体が定める基準に沿った設置・運営しなければなりません。

 

 

運営時の注意点

 

資金計画

保育園を安定して運営していくためには、十分な200〜500万円資金計画を立てておく必要があります。あらかじめ収支をしっかりと見極めて、余裕を持った計画を立てましょう。特に、入所する子どもの数や保育士の数をしっかりと確保できないと、経営がうまくいかないので注意が必要です。

 

子どもを預かる責任

保育園の運営は、子どもたちの命を預かる大変責任の重い事業です。万が一の事態が起きてしまえば、保育園としての信頼を損ねるだけでなく、行政による処分の対象となることもあるでしょう。そして何より、子どもたちは保護者や社会にとってかけがえのない宝物。経営側は、子どもたちの安全を守ることを最優先に考えた運営を行わなければならないのです。

具体的には、事故や災害、不審者の侵入などに備えて、十分な予防・対応マニュアルを整備することが求められます。また、職員は常にその内容をしっかりと把握・共有していなければなりません。

 

 

保育所の運営で使える補助金・助成金

 

認可外保育園の場合、基本的には国や自治体から補助金などが交付されることはありません。

認可外保育園が認可保育園に比べて保育料が高額になる傾向があるのは、補助金分の不足を保育料で補う必要があるためです。地域によっては使える補助金もあるため、こまめにサイトでチェックする必要があります。そちらのサイトも開業サポートの中でお伝えいしています。

 

 

保育経験なしでの保育所運営は難しいこともあります

 

保育所の新設・運営は、一にも二にも子どもたちのことを考えて行わなければなりません。設備、保育内容、職員の質と、様々な点に配慮が必要となるため、保育の経験がまったくない場合は運営そのものが困難なことも。私も開園前に3ヶ月間企業主導型保育園で保育スタッフとして働いた経験もあります。

「保育所を開設・運営したいが、保育経験がない」「ノウハウがない」という場合は、外部企業に運営を委託する、フランチャイズに入ることもひとつの手です。ただし、業者選びはくれぐれも慎重に。委託先の業者選びを誤ると、保育の質の大幅な低下や、経営そのものもうまくいかないといった事態を起こすこともあるためです。

 

 

社内に保育施設を開園することは可能です!ただ、経験豊富な保育士を確保するか、社員の中で保育施設担当者を選ぶなど、責任者を1人は決断すべきかと思います。

 

 

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