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認可外保育施設開園の前に知っておきたい設計・レイアウト

2025.04.05

認可外保育施設開園の前に知っておきたい設計・レイアウト

 

こんにちは!一時預かり・託児所開業サポートの油谷です。
今回は『認可外保育施設開園の前に知っておきたい設計・レイアウト』についてお答えしていきます。

まず、私の場合、保育士資格を持たずに開園準備をしたため、「後々レイアウトを変更できるように」ということを重要ポイントに考え、ワンルームで長方形のお部屋を選びました。

保育園を開園する際には、認可外保育施設指導監査基準に則っていることを確認した上で、設計やレイアウトを慎重に決定していくようにしましょう。また、使い勝手のよさや、年齢の異なる園児がそれぞれ快適に過ごせる間取りなども重要ポイントですよね。

そして、一時預かりを行う上で私が失敗したなと感じるポイントが1つあります。

それは「お預かりした子どもたちから保護者が出入りする扉(入り口)を見えないようにすればよかった」ということです。

お預かりしたお子さまは保護者がいつ迎えに来るかわかりません。ですので、保育スタッフやお部屋、おもちゃに慣れるまではずっと入り口を見て泣いていることが多くあります。でも、カーテンや壁で物理的に扉が見えないと驚くほど涙する時間が短いのです。

※私は一時、カーテンで入り口を見えないようにしたことがありますが、使い勝手が悪くスタッフには不評でした。でも、子ども達が泣き止むことは早いのです。

 

 

 

保育施設の設計・レイアウトのポイント

 

⚫︎認可外保育施設指導監査基準の違反にならないよう注意する

該当する制度の法令や基準、そしてさらに、自治体が定めているルールも必ず確認しましょう。そのうえで、それらに違反しないよう注意を払いつつ、建築士などと一緒に設計やレイアウトなどを考えていくことが大切です。

建築士との打ち合わせを経て、大まかなレイアウト案を作成したら、その内容が法令違反や基準違反などになっていないかどうかを確かめることをおすすめします。市区町村役場の保育課に直接連絡をして図面を見せて相談してみてください。レイアウトを実際に完成させてしまった後では、違反に気付いても取り替えしがつかなく、利用する施設を再契約なんてことになった方もいらっしゃいますので、ここは慎重に行いましょう。

 

⚫︎使い勝手のよい収納スペースを設置する

使い勝手のよいレイアウトにするための重要ポイントのひとつが、収納スペースの充実度です。保育施設のレイアウトを考えるときには、収納スペースについての検討や検証があまり充分に行われないケースが多々あります。けれども、保育施設業務においては、思ったよりもはるかに多くの布団や机、イス、遊具、書類などを収納する必要が生じます。

いつも物であふれかえってゴチャゴチャした状態が続くようだと、あたらしい設計・レイアウト・設備も台無しになってしまいます。整然としたきれいな園内をキープするためには、特に保育スペース・事務スペース・廊下・玄関周辺、園庭にそれぞれ、大きめの収納スペースや納戸を設置しておくことをおすすめします。

 

⚫︎水回りの配置・形状の決定には充分な検証が必要

お手洗いや洗濯室、給食室などの水回りは、床下や壁の内側に配管を通すような工事によって設置される設備です。そのため、一度設置してしまうと、変更したり追加したりするのは、かなり困難で費用も⚫︎⚫︎⚫︎万円かかってきますので、水回りのレイアウトを考える際には慎重さが求められます。

保健所の基準をしっかりと満たしていることや、子どもたちのケガの原因となる危険がないことなどを確認しましょう。また、子どもたちや職員の動線についても考慮に入れることが大切です。

 

 

⚫︎0歳児用の保育室を設ける

子どもたちといっても、0歳から5歳までの年齢幅があります。0歳児はまだ赤ちゃんですが、5歳児ともなればもうすぐ小学校に上がる子どもです。そのため、すべての園児を同じ保育室で過ごさせるのは、どうしても無理があります。

少なくとも年齢層を2つに分け、それぞれの専用保育室をつくるのが理想的です。そして、その内のひとつは、0歳児専用とするのが望ましいです。0歳児はゲートで分けることも可能ですので、可動式のゲートを準備して使いましょう。

 

⚫︎玄関は「広さ」と「鍵」がポイント

玄関は、特に広さと鍵について検討を重ねるようにしましょう。

子どもの数が多い場合には、一定以上の広さが必要です。特に、送り迎えの時間帯には、保護者と合わせるとかなりの人数でごったがえしますし、ベビーカーもお預かりしておくスペースが必要になります。

また、採用する鍵について検討する際には、安全性と機能性の高さを考慮するようにしましょう。鍵の位置が低いと、内側から子どもが鍵を開けて出て行ってしまう可能性があります。また、できれば遠隔開錠対応タイプのカギをおすすめします。訪問者があるたび開錠のために保育スタッフが業務から離れる必要が生じ、さらなる人手不足を招くからです。監査の際も保護者が来ない時間帯は施錠するよう指導を受けているので、こちらも注意が必要かと思います。

 

 

保育施設の敷地が限られている場合のアイディア

 

⚫︎保育室のスペースが狭い場合にはパーテーションを活用

保育室に充分な広さがないときには、区分けをして、スペースを柔軟に活用できるようにするのがおすすめです。

具体的には、パーテーションや持ち運びが可能な棚・ロッカーなどを用いて、臨機応変にスペースを区分けしていく方法です。「ここは食事用のスペース」「ここはお昼寝用のスペース」といったような固定をしなければ、スペースが狭い問題も解決できるわけです。

 

⚫︎園児やスタッフの動線をベースにしてレイアウトを考える

園児やスタッフの動線をふまえ、できるだけ無駄の少ないレイアウトにすれば、狭さの問題に対処しやすくなります。そのためにも、子ども同士がぶつかってしまったり、あるいは迅速な対応が求められるときに保育スタッフがスムーズに移動できなかったりするなどの問題が起こらないレイアウトにすることが重要です。嘔吐や発熱時もレイアウトを変えて対応できるようにすると安心ですね。

 

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