社内に保育施設、作り方は?土地や人員は?
2024.07.05
社内に保育施設、作り方は?土地や人員は?
こんにちは!一時預かり・託児所開業サポートの油谷です。
今回は『社内に保育施設、作り方は?土地や人員は?』についてお答えしていきます。
残業をお願いしたくても保育園の子どものお迎え時間にはタイムリミットがあり、残業を受け持ってもらえなくて困っているというお話しを伺いました。
お迎えを保育施設のスタッフに頼み、残業が終わるまでお預かり、夕食やお風呂も済ませたら需要は自社にとどまらず、工業地帯などであれば近隣の会社からも需要はあるのではないでしょうか?
本日は作り方、スタッフをどうしていくのかご説明いたします。
社内に保育施設、自社運営と外部業部委託という選択肢
社内保育施設を設立する場合は、必要な建物・設備要件や保育士も含めたスタッフの配置条件などを知っておくことが重要です。
もうひとつ重要なことは、開設後の運営を自営にするか、委託にするかをできるだけ早い段階で決めておくことです。
自営と委託でどちらが正しいということはありませんが、選択によって企業側の負担がかなり違ってくるからです。外部に委託する場合は、設立や運営に関わる多くの業務を任せることができ、助成金の申請や自治体対応なども代行してもらえるため、企業の負担は抑えられます。
ただ、当然ながら委託料金はかかりますし、保育サービスの範囲は委託する業者によって異なります。そのため、自社リスクで保育スタッフも社員として雇い、独自サービスを展開しているところもあります。
自社にとってどちらが適しているか判断するためには、開設費用や手間などシミュレーションを行い、総合的に判断するのがいいですね。
社内託児所・保育所を開設する場所は、必ずしも企業が所有する土地や建物を使わなくてはいけないということではありません。
もちろん、事業所の敷地内にあるは余分な費用がかからないのでいいですが、近接する場所を借りて保育施設として利用してもよいですし、社員の通勤経路にある駅ビルの中でも構いません。社宅など、社員の居住場所に近い場所を選ぶ方法もあります。
このように場所は自由ですが、保育施設として保育室があり、壁で区画されたトイレがあることが基本的な施設の要件となります。1人当りの面積は、保育室1.65m²以上が必要です。
保育施設の運営は自社運営と委託運営が可能ですが、いずれの場合も年齢区分に応じて、以下に定める保育従事者の合計数に1を加えた数以上(常時2名以上)を配置しなければなりません。
- 乳児おおむね3人につき1人
- 満1歳以上満3歳に満たない幼児おおむね6人につき1人
- 満3歳以上満4歳に満たない児童おおむね20人につき1人
- 満4歳以上の児童おおむね30人につき1人
ただし、配置基準人数の半数以上は、保育士資格か看護師資格保有者であることが必要です。
自営の場合は、保育士を募集したり運営方針を自社で決めて保育士の教育、労務管理などを考えなければいけません。運営を外部に委託する場合は、保育士の募集や管理も業者が行ってくれるので日々の運営は任せられ、相談や報告を受けるだけです。
なお、認可外保育施設であっても、基本的には自治体への届け出が必要です。届け出が不要なのは、1日に保育する乳幼児の数が5人以下の託児スペースのみです。